フォレスト・ガンプ

【作品紹介 - Amazon.co.jpより - 】
IQが人並みほどもないにもかかわらず、母親の献身的な愛情と、そして運命がもたらす不可思議な力によって、時代の英雄として歴史をかけめぐっていく青年フォレスト・ガンプの生きざまを描いた、ロバート・ゼメキス監督による大河ヒューマン映画の傑作。戦後アメリカの風俗映画としてとらえても秀逸で、1950年代から80年代にかけてのヒットナンバーに彩られながら、アメリカがその期間に体験したさまざまな事柄が、たとえばガンプが本物のケネディ大統領と握手するなど、巧みな視覚効果によって描かれていく。
1994年度(第67回)のアカデミー賞では作品、監督、主演男優、脚色、視覚効果、編集の6部門を受賞。これが2度目のオスカーとなった主演トム・ハンクスによる『ビッグ』さながらの大人子ども的演技も絶妙だが、母親役サリー・フィールドの名演も忘れがたい余韻を残してくれる。この母あればこそ、ガンプのさまざまな奇跡も可能となり、いつしか運命も彼に味方するようになったのだ。(的田也寸志)

【ユーザーによる評価】 平均評価: 4.5/ 総数: 33件
[3点] 出来すぎのウソ話
 フォレスト・ガンプの人柄は、トム・ハンクスの童顔もあって、好感が持てる。フォレストは知的な面で障害があることになっているのに、時には並みの人間よりも切れるところを見せる。愚直に生きて成功するのも、実際にはありえないけれども、一種のおとぎ話みたいな映画だから納得することにする。
 しかし、ストーリーの運び方には俗っぽさとウソくささが多い。たとえば、子どものときに自転車で追われたシーンが、今度は車で再現される。これが1回だけならまだよかった。それがそうではなくて(見ていて予想できたが)バスの座席を譲る場面で、最後は子どもがスクールバスに乗る場面で二度くりかえされた。作品の品位を下げるだけのつまらない演出だった。
 「人生はチョコレートみたいだ」などという母の言葉のどこに含蓄があるのか。ベンチでフォレストの話に耳をかたむけていた婦人が涙をぬぐったりと、全編が俗っぽい。ヴェトナムでテイラー隊長が負傷したが、この場面もウソくさい。密林の中を行く小隊は、近くのゲリラとの遭遇戦はあっても、遠方の敵からの砲撃はうけないはずだ。あっというまに味方のヘリが飛んでくるような位置関係で。
 ジェニーは都合のいいときにあちこちにあらわれる。しかも最後は子どもをつれて。さらに病で長くないときては、いくら作り話でも出来すぎていた。よく出来ていた点もあった。ヴェトナムで負傷した小隊長の脚である。どこにトリックがあって、脚が切れていたのか、ついにわからなかった。



(2008-04-17)
[3点] 内容を一言で言えば、「映画 アメリカ最近の歴史」
 主人公フォレスト・ガンプを通して、ベトナム戦争前から90年代に移る手前までのアメリカ史を映像化した映画。視覚効果や、魅力的なキャラクターを効果的に動かし、地味でも確かな面白さを持つ秀作映画。

この映画の軸になるのは主人公の「フォレスト」と、その初恋の相手である「ジェニー」である。フォレストは発達障害を持っているのか、人よりもIQが少し低い。しかし母親や出会う親友、彼を運ぶ運命が恵まれており(やや脚色された映画内の)アメリカ史においては表の部分を歩くことになる。一方のジェニーは幼少期に父親から性的虐待を受け、大学ではとある理由により退学処分を受けるなどフォレストとは違い、裏のアメリカ史を歩くことになる。映画はこの二極化された二人を使い、進行していく。フォレストが人と出会い、次第に活躍していく映画としてのストーリーの中に、絶妙なタイミングで挟まれる史実がより一層、映画としての魅力をもりたてている。映画の中でもっとも時間を割いているのは「ベトナム戦争時代」で、それ以降は殆ど動きのない「静」の映画になる。それでも飽きさせないのがこの映画の秀作たる所以かもしれない。

フォレストとジェニーの愛とアメリカ史の見事な融合に加えて、エビマスターのババや約束は必ず守る男であるダン中尉など魅力は数多い。しかし、数回見るにつれてアメリカ史の挿入によってメインストーリーが細切れになっていることが気になってくる。時には、アメリカ史の挿入によって「キモを誤魔化されているんじゃないか?」と勘ぐりたくなってきてしまう。それに後半につれてやや駆け足のように早くなっていくせいか、ジェニーの描き方が何とも薄い気がしてならない(個人的には、ジェニーとの愛よりもババや、ダン中尉との友情と言うより仲間としての絆の方にぐっと来る。コレは男だからかもしれないが)。
確かに誰でも見ることができる。鑑賞者が想像する余地もあるし、名セリフや名演を堪能することが出来る。だが見るればみる程、その輝きに隠れた部分が気になってくる。もしかしたら、あまりにも綺麗にまとまりすぎていることと、冒頭の羽根が落ちてくるシーンに1億円かかったという噂が関係しているのかもしれない……って、一億は関係してないな絶対に。 (2008-03-17)
[3点] 痴獄の真心兄弟
ふつうガンプはムイシュキン公爵の如きケガレなき好人物だと思われているようだが、私には獰猛な狂犬に見える。
この人物を大統領にしたのがブッシュ大統領であり、兵士にしたのがイラク戦争の子供十字軍達である。
こんな映画にオスカーを与えた米国人の知的・倫理的頽廃の結末が現在の大苦境なのである。ガンプは映画の中では成功している。しかしこの世に悪の栄え続けたためしは無い。
きわめて政治的色彩の強い作品でもある。この頃から21世紀の戦争へと米国民をマインド・コントロールしていたのだ。

星一つだと没になりがちなので三つにしておく。
ゼメキス(かハンクス)は私に喧嘩を売っているのである。けっ。 (2008-03-07)
[5点] 大好きです
洋画の中では1番大好きな作品です。
他のレビューで、「人生はチョコレート」と書かれていましたが、正しくは「人生はチョコレートの箱」です。人生がチョコレートのように甘いものだと言っているのではなく、人生はチョコレートの箱のように開けて食べてみるまで中身はわからないものなのだ、そう言っているのです。
もちろん、フォレストガンプのように、現実がなんでもかんでもうまくいかないことは分かっています。でも、自分にできることをちゃんとやって生きていれば、いいこともある、誰かを幸せにすることもできる、この映画を観てそう思うんです。
辛いこと、悲しいこと、悔しいことは山ほどあります。社会には理不尽なことがありすぎて、もうどうでもいい、人なんて嫌いだ、そう思うこともあります。でもこの作品を観ると、明日もがんばろうかなって思えるんです。
とても素敵な作品です。 (2008-02-28)
[3点] 安易なおとぎ話
映画の好き嫌いは食べ物の好き嫌いと同様で、個人の好みである。これだけ大ヒットした映画であるし、ここに書かれているレビューもほとんどが肯定的であり、絶賛に近いので、決して悪い映画ではないし、つまらない映画でもないのだろう。だからこのレビューはあくまで別な見方があるのだというくらいに軽く受け流していただきたい。この映画に対する最大の不満は、この映画が非現実的であるのにかかわらず、それをいかにも現実の人生にあてはまるかのように製作されていることである。現実にフォレスト・ガンプのような人間が映画のような成功をおさめることはあり得ない。厳しいかもしれないが、それが現実である。だからこの映画はあくまで、おとぎ話として見るべきだろう。しかし、この映画を見た人々には、それが出来ない人々が多いのではないだろうか。

極論すれば、アメリカ的な楽天主義がこの映画には満ちあふれている。「人生はチョコレート」という映画の中心となるセリフがそれを何よりも物語っている。しかし、これは考えようによっては問題である。「人生はチョコレート」などと考えている人間は自分の人生だけでなく、他人の人生もそう思うのではないだろうか。ということは、他人の人生の苦しみや悲しみも安易に考えてしまう可能性が高いように思える。人生は決してチョコレートのように甘いものではなく、単純なものでもない。アメリカの楽天主義は、ポジティブな面も多いが、周囲の者には迷惑なことも多いのである。それはある意味、ベトナムやイラクでのアメリカの蛮行を見れば歴然としているだろう。

フォレスト・ガンプを単に楽しい映画と見ることは自由である。しかし、その裏にあるアメリカ的楽天主義を素晴らしいものとだけ考えることは危険なことであろう。 (2008-02-16)
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